紅型の帯は染め帯です。昔の一般的な着物ルールでは、織りの帯が格上で、染め帯はその下になっています。
フォーマルが織りで、カジュアルが染めということです。
お茶席や結婚式など正式な場ではできれば織りの帯がいいというふうになっています。
という事は、染め帯の紅型は正式な場にはNGなのでしょうか?
そんなことはありません!
最近はちょっと前ではありえなかった紬の訪問着なども出てきていて、着物ルールもどんどん変わってきています。
TPOが大事なのは洋服も同じですが、基本は着る方が着たいものを着れば良いのです。
紅型の帯でも、そういう正式な場にふさわしい柄や、全通の「袋帯」などもあります。
最近はお茶席にも紅型の帯をという方もいます。着る方々がどんどん変えていける時代なのです。
古いしきたりに縛られ気を使うより好きな物を堂々と着る良い時代がやってきています。
がんじがらめの着物のしきたりは実は呉服業界が販売のために考えだした物が多いのです。
例えば、訪問着などは戦前に考案されたものなので僅か80年ほど前のものです。
考案して沢山売っていたであろうと思いますが、呉服業界が苦戦している現代ではそうはいかなくなってきています。
それ以前の時代にはもっと自由に着ていたはずです。
そしてまた、自由に着る時代が着実にきています。
洋服はみなさん自分の考えで選んで着ています。
でも着物となるとこの場所にこれ着ていいのかな?とか人の目をものすごく気にする方が多い。
そんな方には、
「職人が何年もかけて技術を学び、手間を惜しまず染めている帯や着物なので、
どこへでも自信をもって締めていって欲しい」!
という僕達作り手の気持ちを伝えたい。
作る側としての考えをもう少し言うと、
例えば結婚式には小紋の紅型の着物はダメだと言われます。小紋というだけで格下げしてしまうのです。
でも。その着物を裁断し、ドレスに仕立てれば絶対OKです。むしろ最高級ドレスです。
そんな事っておかしくないですか????
洋服ならOK!着物だとNG!…‥納得できません。
おまけにペラペラのプリントの訪問着は結婚式OKだったりします。
小紋の紅型はものすごくきれいです。
きれいなら着てもOK。それで良いと思います。
それぞれに自分で考え着る事が大切と思い書いてみました。
紅型の帯や着物をもっともっと自由に楽しんでもらいたいっ!